がんに対する野菜スープの効用

 

 がんに対する野菜スープの効用は、次のようなものがあります。

 

・活性酸素を消去してがんを予防する

 

 がんは、正常細胞の遺伝子が活性酸素に傷害されて起こります。抗酸化物質であるファイトケミカルがたっぷり溶け込んだ野菜スープは、抗酸化力で遺伝子の傷害を防ぎ、がんを予防します。

 

 

・活性酸素を消去してがんを抑える

 

 がんは突然発症するわけではありません。1個のがんの芽が悪性腫瘍(がん)になるまでには、3つの段階を経て時間をかけて進行します。このすべての段階に活性酸素がかかわっています。野菜スープの抗酸化物質は、どの段階でも活性酸素を消去してがんを抑えます(こちらの図参照)。

 

・発がん物質を解毒する

 

 野菜スープに含まれるファイトケミカルは、体の中の解毒酵素の働きを活性化させて、発がん物質の解毒・排泄作用を高めます。

 

 また、野菜スープに含まれる食物繊維の効能も見逃せません。食物繊維は腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスを整えて腸内環境を良好に保ちます。善玉菌は、食べ物の消化吸収を促進し、便通を促して大腸がんを予防するほか、発がん物質を解毒する働きをもつものもあります。

 

・免疫力を高める

 

 私たちの体には免疫といって体を病気から守るしくみが備わっています。がんを防ぐのも免疫の働きです。免疫の6割は腸管が担っています。食物繊維で腸内環境を整え善玉菌が活性化すると、腸管の免疫力が高まることがわかっています。

 

・がん治療の副作用を抑える

 

 抗がん剤などの化学療法や放射線治療による副作用は、治療によって体内で大量に発生する活性酸素のしわざです。活性酸素でがん細胞以外の正常な細胞が酸化され、傷つくことから生じるのです。がん治療中の患者さんは、野菜スープを食べて活性酸素を消去することで、治療の副作用を抑えることができます。

 

野菜スープを食べればがんの成長を抑え寿命を延ばすことも可能

 

 がんが一番小さかったのはスープを飲んでいたマウス

 

 野菜スープを食べているとがんになりにくくなるとは言えますが、がんは手ごわく、100%予防することはできません。しかし、野菜スープをふだんから食べていると、がんになったとしてもがんの成長を抑え、寿命が延びる可能性があります。

 

 次の実験は、クマイ笹ささのスープ(抽出液)を用いたマウスの実験ですが、クマイ笹を野菜スープに置き換えてみるといいでしょう。クマイ笹のスープには、活性酸素を消去するフラボノイドや、免疫力を高める多糖類(食物繊維の一種)が豊富に含まれています。マウスを次の4群に分け、がんの大きさ、生存日数を比較しました。

 

@通常の飼料だけ与えて飼育し、がんを移植した対照群

 

A通常の飼料で飼育し、がんを移植した7日後、クマイ笹スープを加えた飼料(以下、クマイ笹)に切り換えた群

 

Bがんの移植と同時にクマイ笹に切り換えた群

 

Cがんを移植する7日前からクマイ笹を与えた群

 

 がんが一番小さかったのは、がんを移植する前から予防的にクマイ笹を与えたCでした。その次がBの移植と同時にクマイ笹を与えた群、Aのがんになってからクマイ笹を与えた群でした。予防的にクマイ笹を与えたCに比べ、クマイ笹をまったく与えなかった@の対照群は、がんが明らかに大きいという結果でした。

 

 @の対照群のマウスは、がんを移植した60日以内にすべて死亡しましたが、クマイ笹を与えたすべての群は、80日経った時点で35%が生存していました。がんができてからクマイ笹を与えたAでも生存期間が大幅に延び、120日間で10%が生存していました。マウスの寿命は約2年ですので、120日は人間の約5年に相当します。

 

 この研究から言えることは、野菜スープを予防的にとっていれば、がんになりにくくなる、がんになったとしてもがんの成長を抑えることができて、寿命が延びることにつながるということです。がんの予防としてはもちろんですが、がんを大きくしないためにも、抗酸化物質をたっぷり含んだ野菜スープをとりましょう。

 

野菜スープは抗がん剤や放射線療法の副作用を軽減する

 

 抗がん剤や放射線療法の副作用は活性酸素が原因

 

 前に述べたように抗がん剤は、がん細胞を殺すだけでなく、正常な細胞まで殺してしまうために、おう吐、食欲不振、脱毛、痛みなど、患者さんはさまざまな副作用に苦しむことになります。

 

 副作用が強い点では、放射線療法も同様です。細胞は、細胞膜に包まれ生命を保っています。放射線から発生する活性酸素は細胞膜に傷害を与え、細胞を破壊します。

 

 放射線療法は精度が上がり、がんを狙い撃ちできるようになったとされます。しかし、がんの病巣をピンポイントで狙ったとしても、放射線による活性酸素の害は、体の一部にとどまりません。

 

 たとえば、肺がんの治療で肺の限られた範囲に放射線を照射しても、吐き気や脱毛、白血球の減少、貧血などが生じます。活性酸素がもたらす酸化ストレスが全身の臓器に及ぶということです。

 

 そもそもがんになったのは、免役力が低下しているためです。そのような状態で抗がん剤や放射線によって活性酸素が大暴れすると、体はさらに弱ってしまいます。

 

 そこで野菜スープです。抗がん剤や放射線の副作用が活性酸素によってもたらされるのであれば、抗酸化物質を含む野菜スープをとることによって、活性酸素を消去し、副作用を抑える効果が期待できます。患者さんは副作用の苦痛が和らぎ、効果的に治療を続けることができます。